クック湾のスプール山、リダウト山、イリアムナ山、セント・アウグスティン山の火山群を一望できるロシアの影響力を色濃く残す町ニニルチックは、人口わずか 853名の小さな村落で、旅行者は給油とロシア正教会の写真撮影しか目的は見いだせないかもしれません。しかし、実はニニルチックは、1日~2日、ゆっくりと散策を楽しむには最適な場所なのです。ロシアの遺跡を見たり、素晴らしい景観の中、レーザークラム(マテ貝)の宝庫として知られているキナイ半島西側で貝拾いを楽しんだりしてみましょう。

ニニルチックのマテ貝拾いは特に夏がお勧めで、干潮時は旧市街の川向こうに位置するニニルチック海岸国立レクリエーション公園かディープ・クリーク国立レクリエーション地区あたりで良く採れます。世界のグルメ大会での優勝杯候補とも言われている15.2cmのマテ貝の採り方を地元のベテランが教えてくれるでしょう。歴史的にはデナイナ・インディアンが漁業を営んでいたニニルチックですが、ロシア帰還への長旅が不可能な老人や身体不自由な人々の為、1820年代にロシア・アメリカ会社が入植地を造ったのが始まりでした。その後、入植者達と共に他のロシア人達もここに集まり、漁業、狩猟、罠猟、庭園農業等を営む暮らしを送りながら、1901年にはロシア正教会を建設しました。ロシア帝国がアメリカ合衆国にアラスカを売却した後も、ほとんどの人はここに残ることを選択し、彼らの子孫が現在のコミュニティの中心的役割を担っています。

他のキナイ半島の町と同様に、ニニルチックは1964年のグットフライデー地震で大きな被害を受けました。村は92cm程沈み、多くの陸地がクック湾に消え去りました。現在のニニルチックは、ニニルチック川とディープ・クリークの間の丘陵に建てられており、スターリング・ハイウェイに沿って様々な店が立ち並んでいます。しかし ほとんどの訪問者は、ニニルチック川の湾曲する側にある旧二ニルチック村へ行ってしまいます。

草むらにある古びた丸太小屋、浜に上がった漁船、美しいリダウト山を背景とした旧二ニルチック村は、晴れた日には絵はがきのように美しい景観を見せます。1895年に建設されたソレンセン・タッパー族の住居や丸太で出来た最初のロシア学校校舎など、10数戸の建物も残存されています。

中でも最も素晴らしいのは、絵はがきにもなっているロシア正教会で、丘の上に立つその姿はクック湾の景色を制圧しているかのようです。

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