コディアック島の南3分の2、バン島とウガニク島全体、そしてアフォグナク島の一部をカバーする広さ76万ヘクタール.のコディアック国立野生生物保護区は、アラスカブラウンベアの主要生息地です。1941年に保護区に指定されたこの地域は自然景観が壮大なだけでなく、その野生生物生息地は急峻な山々から高山草地、湿地、エゾマツの森林、草原にいたるまで極めて多様です。保護区内はどこでも太平洋から24km以内にあり、山々はフィヨルドのような入江に縁どられた海岸線から1,200mの高さまでそびえています。
ブラウンベアの亜種、コディアックベアは世界最大の陸上肉食動物です。オスは普通360kg以上あり、675kgを超える体重のものも報告されています。メスの体重は普通180kg~270kgです。この保護区に生息する頭数は推定2,300頭で、世界有数の密度と言われています。7月中旬から9月中旬にかけてクマたちは渓流に集まってきて、産卵するサケを腹一杯に詰め込みます。サケの群れが余りに多いので、しばしば熊たちは選り好みしてメスだけ、それも卵を抱えた腹の部分だけを狙うことさえあります。
保護区では鳥類も豊富です。250種以上の鳥がここに生息あるいは渡ってきます。150万羽以上もの海鳥がコディアック島の沿岸水域で冬を過ごします。また保護区で営巣するワシのつがいは600を超えます。サケの遡上する渓流は117本を数え、険しいフィヨルドや氷河の深い谷、そして海へ流れ込んでします。サケは5種類のパシフィック・サーモンすべてがおり、コディアック島のサケ漁獲高の65%を占めています。
保護区はベアウォッチングや大物ブラウンベアの狩猟が見られる地として有名な一方、カールク川やアヤクリク川はサーモンやニジマスフィッシングの絶好の場として世界的に知られています。他にもカヤック、ラフティング、キャンピングなどのアクティビティが楽しめます。
コディアック島の気候は相当量の降雨、低温、曇天の日が多いなど、海の影響を強く受けています。このため、年間を通じて低体温症には気をつける必要があります。
Facilities
施設
コディアックの町には、コディアック国立野生動物保護区ビジター・センターがあります。ここには、コディアック・ブラウンベアに特化した展示室、ビデオ室、書籍売店がある他、親切なスタッフが保護区に入るためのアドバイスをしてくれます。保護区内には9つの公共キャビンがありますが、いずれも車で行くことはできません。ほとんどは水上飛行機を利用することになりますが、コディアックの町に最も近いのは、ウガニク・レイク・キャビンとベイコダ・ベイ・キャビンです。保護区内およびその周辺には、フィッシング・ロッジやベア・ウォッチング・キャンプもあります。
ブラウンベア・ウォッチングには、コディアックにあるチャーター飛行機業者が手配するベア・ウォッチング用の小型飛行機を利用します。通常、ツアーの所要時間は4時間くらいで、その内2時間はフレイザー・レイクなどたくさんのベニザケが遡上してくるスポットで、ブラウンベアの写真を撮影に当てられます。 時には、5 ~6頭のブラウンベアが一緒に食事をする光景を目にすることもあります。
Fees
入園料
コディアック国立野生動物保護区への入場は無料ですが、公共キャビン利用には1泊毎に料金がかかります。キャビンの利用予約は年間を通じて抽選で行われます。抽選で空きがある場合には、電話予約も可能ですが、先着順となります。 さらに詳細な情報については、保護区ビジター・センターにお問い合わせ下さい。コニアグ・イーズメント・ランド(注:善意の第三者により使用が許されている公有地)を通ってカールク川に行き、釣りをする場合には無料の許可証が必要になります。
Accessibility
アクセス
保護区へと通じる道路はありません。 また保護区内に、管理されたトレイルはありません。
公園に行くには、コディアックの町から小型飛行機またはボートをチャーターすることになりますが、保護区は町から少なくとも40キロ離れたところにあります。 コディアック島には、アンカレジから定期航空便またはアラスカ・マリンハイウェイを利用して行くことができます。